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持続可能な未来へ向けた文化芸術環境形成助成事業(採択結果・事業一覧)

2023年度
持続可能な未来へ向けた文化芸術環境形成助成事業
採択決定事業について


2023年度「持続可能な未来へ向けた文化芸術の環境形成助成事業」について、「(1)イベント・発信型 」75件、「(2)プロジェクト型 」30件、計105件の申請をいただきました。
審査の結果、「(1)イベント・発信型 」31件、「(2)プロジェクト型 」12件、計43件を採択事業として決定しました。なお、評価内容を踏まえ、申請額から減額して採択した事業もありました。



≪審査方法≫

審査は募集案内に記載した「審査の視点」に基づき、審査委員により行われました。申請書類の事前審査を行った後、審査委員会において、「(1)イベント・発信型」「(2)プロジェクト型」それぞれに、事前審査の評価が高い事業から順に採択の可否と採択額等を議論し、決定しました。



≪審査の概況≫

多彩・多様な事業を申請いただいた中で、事業を企画するに至った「課題意識・背景」が的確に記載され、それらが適切な手法・事業内容に落とし込まれている事業は、助成の趣旨に照らして高く評価され採択に至りました。
また、2021年度・2022年度環境形成助成からの継続事業においては、前年度までに行ったことを土台として今年度の目標を据え、ステップアップを図っているものが高く評価されました。

「(1)イベント・発信型」では、現状から一歩踏み出し周囲に変化を生み出そうとする事業が高く評価され採択となりました。採択された事業の中には、次世代の文化芸術の担い手育成を目指す事業、先進的・意欲的な創作を行う事業、幅広い層が参加できる工夫を行う事業、地域の特色を活かす事業等が多くありました。
一方で、通常の活動の範囲内と思われるものや、既存の企画に課題意識が後付けされたようなものは、相対的に評価が低くなりました。

「(2)プロジェクト型」では、文化芸術の環境に新たなコミュニティやネットワークをつくる事業、教育・環境・まちづくり・福祉・産業など他分野への波及効果が見込まれる事業等が採択となりました。
仙台市域、ひいては社会全体が抱える課題を的確に捉えたうえで、独自のアイディアや視点を持って取組む事業は高く評価されました。また、助成の趣旨に照らし、事業の実施によって地域社会に一過性ではない変化が生まれ、継続的な展開が見込まれる事業は助成の必要性が高いと審議されました。
一方で、事業後に想定される展開や他分野への波及効果が限定的なものや、明確に示されていない事業については、相対的に評価が低くなりました。



≪申請書類の記載について≫

一部の申請書類においては、具体的な事業内容の記載が不足しているものが見受けられました。助成申請にあたっては、演目・出演/参加アーティスト・対象者・実施時期、収支予算書の費目等をできる限り詳細に記載し、自ら提案する事業を説明することが求められます。審査委員会では、申請書類のうち「事業内容に関する補足資料(提出任意)」等を活用するなどして、事業の概要をより具体的に説明するなどの工夫も必要だとの指摘もありました。



【審査委員】

木ノ下 智恵子(大阪大学21世紀懐徳堂 准教授)
藤野 高志(建築家、生物建築舎主宰、東北大学 准教授)
細馬 宏通(バンド「かえる目」作詞・作曲・ボーカル、早稲田大学 教授)
森 真理子(厚生労働省 障害者文化芸術計画推進官)
(五十音順)



【審査の視点】

(1) 先進性・独創性
これまでにない視点や工夫が取り入れられているか。

(2) 文化事業としての質
文化的に質の高い成果が新たに期待できるか。

(3) 波及効果
地域・社会への波及効果が期待できるか。

(4) 将来性・発展性
申請者の今後の活躍や事業の発展が期待できるか。

(5) 実現可能性
企画内容、実施体制、手法、事業プロセス等が実施のために適切なものとなっているか。

(6) 助成対象としての妥当性
本助成事業の目的や対象となる事業の趣旨に合致し、助成を得ることで高い成果が期待できる事業か。


※審査委員が申請のあった事業の内容と利害関係がある場合は、審査委員会において、当該申請事業にかかる採択可否や助成金額等の審議に加わることができないことを要綱で定めています。なお、利害関係の範囲は、次に掲げるものとしています。
(1)審査委員が、申請団体に所属している場合
(2)申請事業に、何らかの形で審査委員自身が参画する場合
(3)審査委員が、申請者から謝金・給与等の報酬を得ている場合
(4)審査委員が、申請者に対して外部有識者として関与するなど、中立・公正に審査を行うことが難しいと自ら判断する場合


【申請・採択概要】

(1)イベント・発信型
・申請件数 75件 ※内、申請取下げ2件
・採択件数 31件、不採択件数 42件
・採択率 42.5% ※申請取下げ2件を除く
・助成決定額合計 14,160,000円/申請額合計 34,477,434円
・採択事業 一覧(PDF)

(2)プロジェクト型
・申請件数 30件
・採択件数 12件、不採択件数 18件
・採択率 40.0%
・助成決定額合計 19,328,000円/申請額合計 50,910,020円
・採択事業 一覧(PDF)

※(1)(2)の助成決定額合計 33,488,000円/予算総額 34,000,000円



【募集要項】

2023年度募集要項(PDF)


【対象となる事業】

以下に示す、1~3に当てはまる事業が対象となります。

1.事業の目的
文化芸術の創造性を活かして社会課題に向き合い、仙台の文化芸術環境の発展を目指す事業。


2.事業の内容
次のA~Eのいずれかに該当する事業(複数可)。
A.多様な分野の社会課題に向き合う文化芸術事業(社会的役割の創出)
文化芸術の創造性を活かし、仙台のまちづくりや市民の暮らしに関わる社会課題に向き合う事業。または、他分野の団体・施設等と連携・協働して行う文化芸術事業。

B.次世代の人材育成に資する文化芸術事業(豊かな芸術教育)
子ども・若者が文化芸術に主体的・自発的に関わる機会を提供することで、文化芸術への関心を高め、表現力や創造力、探究力を育む事業。

C.あらゆる人びとに文化芸術の鑑賞・創造機会を提供する事業(共生社会実現)
性別や国籍、年齢や障害の有無、経済的な状況に関わらず、あらゆる人びとが文化芸術に親しみ、創造性を発揮できる環境の醸成に資する事業や、創作活動を通して他者理解や社会参画を促す事業。

D.優れた文化芸術を創造・発信し、文化芸術に親しめる環境の醸成に資する事業(創造発信事業)
質の高い文化芸術作品を創造・発表し、鑑賞・体験機会を市民に提供する事業。または、仙台の文化芸術の振興や郷土の歴史の継承・普及に資する印刷物・動画やアーカイブ等を作成し、発信する事業。

E.地域の文化芸術活動の基盤をつくるための中間支援事業(支援体制構築)
文化芸術活動者を支えるための活動支援や次世代の文化芸術の担い手育成等を行い、創造的な活動のための環境形成に資する事業。


3.事業の形態
以下に示す、(1)イベント・発信型、(2)プロジェクト型のいずれかに当てはまる事業。

(1)イベント・発信型(助成上限額:50万円)
文化芸術イベント・印刷物や動画等の媒体を通して、助成対象期間内に広く一般に鑑賞・参加機会を提供するもの。

(2)プロジェクト型(助成上限額:200万円)
事業プロセスや様々な人びととの関わりを重視した文化芸術事業を、助成対象期間内に継続的に行うもの。同時に、助成対象期間終了後も継続する計画があるもの。
その上で、申請事業の意義や成果に関するトークイベントや対話イベント等を助成対象期間内に実施するもの。


2022年度
持続可能な未来へ向けた文化芸術環境形成助成事業
採択決定事業について


2022年「持続可能な未来へ向けた文化芸術の環境形成助成事業」について、71件の申請をいただきました。

審査にあたっては、初めに審査委員が募集案内に記載した「審査の視点」に基づき、申請事業を書類審査しました。

審査委員会では、事前に行った書類審査の中で、審査委員2名以上が「採択」とした事業について、評価点が高い事業から順に採択の可否と採択額等を議論しました。

申請書には、地域の文化芸術における課題や他分野の社会課題を的確に捉えることができているものが多くあり、それらは審査委員会において高く評価されました。その一方で、その課題に対応した独創性がある文化事業として、事業の企画や組み立てができていない申請は、相対的に評価が低くなりました。

また、他者に文化活動に関わる機会を創出する事業や、他者と関わることによって作品を制作する事業で、かつ、その相手がしっかりと見据えられている事業は、この環境形成助成の趣旨と合致していると判断され、高く評価されました。しかし、事業の成果が申請者への還元に留まるもの、関わる相手のニーズや申請者との関係性が申請書から読み取れないものは、公益性や波及効果が認められないため、評価が低くなりました。

さらに、他分野に対しても影響力が見込まれる先駆的な事業や、地域をけん引していく力を有すると期待される事業については、採択事業の中でも特に高く評価されました。

なお、採択事業の中には、地域や文化芸術に関する事柄を記録・保存・活用する事業や、作品制作の過程でインタビューやヒアリング等のリサーチを含む事業が一定数ありました。審査委員からは、このように広い意味でのアーカイブを含む事業が提案されることは、地域の記録や保存が必要であるとの認識が広く共有されていることの現れであり、東日本大震災から11年が経った仙台の助成事業として特徴的な点だと言及がありました。

最終的に、審査委員会では採択決定事業17件を決定しました。なお、評価内容を踏まえ、申請額から減額して採択した事業もありました。



【審査委員】

木ノ下 智恵子 (大阪大学21世紀懐徳堂 准教授)
細馬 宏通 (バンド「かえる目」作詞・作曲・ボーカル、早稲田大学 教授)
森 真理子 (厚生労働省 障害者文化芸術計画推進官)
山内 明美 (宮城教育大学 准教授)
(五十音順)



【審査の視点】

(1) 先進性・独創性
これまでにない視点や工夫が取り入れられているか。

(2) 文化事業としての質
文化的に質の高い成果が新たに期待できるか。

(3) 波及効果
地域・社会への波及効果が期待できるか。

(4) 将来性・発展性
申請者の今後の活躍や事業の発展が期待できるか。

(5) 実現可能性
企画内容、実施体制、手法、事業プロセス等が実施のために適切なものとなっているか。

(6) 助成対象としての妥当性
本助成事業の目的や対象となる事業の趣旨に合致し、助成を得ることで高い成果が期待できる事業か。


※審査委員が申請のあった事業の内容と利害関係がある場合は、審査委員会において、当該申請事業にかかる採択可否や助成金額等の審議に加わることができないと要綱で定めております。なお、利害関係の範囲は、次に掲げるものとしています。
(1)審査委員が、申請団体に所属している場合
(2)申請事業に、何らかの形で審査委員自身が参画する場合
(3)審査委員が、申請者から謝金・給与等の報酬を得ている場合
(4)審査委員が、申請者に対して外部有識者として関与するなど、中立・公正に審査を行うことが難しいと自ら判断する場合


【対象となる事業】

A.文化芸術の力を活用して社会課題に向き合う協働事業
文化芸術以外の分野の主体と協働して、文化芸術の創造性を活かし、仙台のまちづくりや市民の暮らしに関わる社会課題に向き合う事業。

B.地域の文化芸術活動の基盤をつくる事業
地域の文化芸術活動の担い手を支えるための中間支援事業や拠点づくり等、多様な主体が創造的な活動をするための環境を醸成する事業。

C.大きな波及力をもつアートプロジェクト型事業
表現の新たな可能性を示す先進的・独創的な文化芸術の創造や、多様な人の参画が見込まれるプロジェクト等、仙台の文化芸術の発展に寄与する大きな波及力をもつ事業。



【申請・採択概要】

・申請数  71件
・採択数  17件(内訳:A.協働1件 B.基盤10件 C.波及6件)
・採択率  23.9%
・助成総額 23,400,000円
・採択事業 一覧(PDF)



【募集要項】

2022年度募集要項(PDF)



【事業数内訳】


申請数 採択数
A.協働 8 1
B.基盤 32 10
C.波及 31 6
合計 71 17


(参考)

新型コロナウイルス感染症に関する文化芸術関係者等に対する支援情報のご案内(リンク)




    2021年度
    持続可能な未来へ向けた文化芸術環境形成助成事業
    採択決定事業について(2021年度)

    2021年度「持続可能な未来へ向けた文化芸術環境形成助成事業」について、88件の申請をいただきました。

    審査にあたっては、初めに審査委員が募集案内に記載した「選考の視点」に基づき、申請事業を書類審査しました。その後、審査会において、評価点が高い事業から、「選考の視点」に照らしあわせながら、事業目的・内容・手法・収支計画等を精査し、採択事業と採択額を議論しました。

    審査会では、次のような観点が特に重要視されました。申請事業の目的が本助成事業の目的に合致しているか、事業の取り組みや作品に先進性や独創性が認められるか、事業の成果が申請者だけに留まるのではなく、より多くの市民・表現者・地域社会等に波及効果が見込めるような公益性があるか等です。

    上記に加えて、今日的な社会状況に対して具体的な問題意識を有し、文化事業として的確に企画している事業や、コロナ禍の難しい状況を乗り越えようと工夫している事業、文化芸術を支えるネットワークづくりや活動の場づくりに寄与する事業等は、特に高く評価されました。

    最終的に、採択事業全体を鑑み、文化芸術のジャンルや活動領域等のバランスを考慮し、採択決定事業23件を決定しました。なお、予算額に限りがあるため、申請額から減額して採択した事業もありました。



    【審査委員】

    三瀬 夏之介(画家・東北芸術工科大学 教授)
    森 真理子(一般財団法人 日本財団DIVERSITY IN THE ARTS パフォーミングアーツ・グループ チーフ・ディレクター)
    山内 明美(宮城教育大学 准教授)
    (五十音順)



    【選考の視点】

    (1) 実現可能性
    企画内容、実施体制、手法、事業プロセス等が実施のために適切なものとなっているか。

    (2) 事業目的との合致
    本事業の目的や対象となる事業(A・B・C)の趣旨に合致しているか。

    (3) 先進性・独創性
    これまでにない視点や工夫が取り入れられているか。

    (4) 文化事業としての質
    文化的に質の高い成果が新たに期待できるか。

    (5) 波及効果
    地域・社会への波及効果が期待できるか。

    (6) 将来性
    申請者の今後の活躍や発展が期待できるか。



    【募集要項】

    2021年度募集要項(PDF)



    【申請・採択概要】

    ・申請数 88件
    ・採択数 23件(内訳:A.協働6件 B.基盤9件 C.発信8件)
    ・採択率 26.1%
    ・助成総額 30,000,000円
    ・採択事業 一覧(PDF)



    【申請数内訳】


    個人 団体 施設 合計
    A.協働 5件 10件 0件 15件
    B.基盤 7件 14件 6件 27件
    C.発信 13件 30件 3件 46件
    合計 25件 54件 9件 88件

    【採択数内訳】


    個人 団体 施設 合計
    A.協働 1件 5件 0件 6件
    B.基盤 2件 5件 2件 9件
    C.発信 4件 3件 1件 8件
    合計 7件 13件 3件 23件


    【対象となる事業】

    A.文化芸術の力を活用して社会課題に向き合う協働事業
    文化芸術以外の分野の主体と協働して、文化芸術の創造性を活かし、仙台のまちづくりや市民の暮らしに関わる社会課題に向き合うもの。

    B.地域の文化芸術活動の基盤をつくる事業
    地域の文化芸術活動の担い手を支えるための中間支援事業や拠点づくり等、多様な主体が創造的な活動をするための環境を醸成するもの。

    C.優れた発信力をもつ文化芸術創造事業
    芸術家及び芸術団体等が、仙台を拠点として、先進的・独創的な文化芸術の創造や発信を行うもの。



    (参考)

    ・文化芸術関係者への支援情報窓口や、事業継続・活動支援のための給付金・支援金などの情報を案内しています。
     新型コロナウイルス感染症に関する文化芸術関係者等に対する支援情報のご案内(リンク)